米国以外の全世界の債券に投資できるETF「BNDX」
BNDX とは?
BNDX はバンガード社が出している ETF で、日本名はバンガード・トータル・インターナショナル債券 ETF(米ドルヘッジあり)。トータル・インターナショナルと銘打っているがアメリカは含まれない。つまり、VEU の債券版。BND がアメリカ全体の債券市場なので、これと組み合わせて持つことで全世界の債券市場をカバーできることになる。
また、多くの債券 ETF と同じく、以下のような特徴を持っている。
- 値動きが株と比べて非常に小さい。
- 分配金が毎月出る。
下記はここ 5 年間のチャート。
5 年間で見ても 54~59 ドルの範囲でしか価格変動がなく、相当大人しい値動きであることがわかる。
BNDX の利回り
さて、肝心の利回りはどうだろうか。
年 | 分配金合計(A) | 年初価格(B) | 利回り(=A/B) |
---|---|---|---|
2017 | $1.212 | $54.29 | 2.23% |
2018 | $1.633 | $54.37 | 3.00% |
2019 | $1.926 | $54.27 | 3.55% |
2020 | $0.559 | $56.89 | 0.98% |
2021 | $0.253 | $58.55 | - |
昨年で急に利回りが落ちているが、おおよそ 2~3%程度の利回りとなっている。 なお、BNDX は特殊な配当の出方になっており、毎月分配だが 1 月は配当なし、12 月は 2 回配当が出る。 そして 12 月の 2 回目の配当は額が大きく、2017,2018,2019 年ではその分配額が年の分配金合計の 50%以上を占めている。
2020 年はその配当が通常の配当と同程度の額しか出なかったため大幅に利回りが落ちている。
BNDX の投資対象
投資対象国
BNDX が投資している国は以下の通り。(20201031 時点。)
基本的に日本をはじめとする先進国が投資対象になっており、新興国はほとんど含まれない。ヨーロッパの比率は非常に高い。そしてなぜか米国も 3%入っている…
なお、3.3%組み入れられている「supranational」は国際機関債というもので、複数の国の政府が共同で発行した債券。
投資債券格付け
債券格付けは以下のようになっている。(20210630 時点。)
およそ 80%が格付け A 以上の債券。債券の格付けは格付機関によって基準が異なるが、例えば格付投資情報センターの基準では BBB 以上を「信用力十分」としている。かなり安全に倒した配分になっていることが分かるだろう。
株式との比較
トータルリターン計算機で、2016-2020 の BNDX のトータルリターンを見てみる。
BNDX の場合、2016 年に 10000 ドル投資して配当を再投資した場合、2020 年末には 12422 ドルになっている。
年率のパフォーマンスで見ると 4.44%である。
では、同時期の VT(全世界株式)はどうだろうか。
VT の場合は 10000 ドルが 18318 ドルになっている。圧倒的大差…
しかし、コロナショックがあった 2020 年 3 月に着目して再度グラフを眺めてみたい。
VT の場合、直前で原資の 50%以上まで膨れ上がった資産が 11000 ドル弱まで急落している。一方の BNDX は同時期に 11500 ドル強であり、この時期までのトータルリターンを比較した場合は BNDX が勝っていることになる。このような暴落時の底堅さをポートフォリオに取り入れたい場合は、BNDX が候補になるだろう。